スマホ決済サービスでのトラブルが増加している現状と、IPAが公開している注意喚起から、安全な利用のための対策を解説します。
この記事を読むことで、不正利用の手口やトラブル発生時の対応を知り、安心してスマホ決済を利用できるようになります。

スマホ決済って便利だけど、本当に安全に使えるの?



この記事を読めば、トラブル事例と対策を知って、安全に利用できます。
この記事でわかること
この記事でわかること
- IPAが指摘するスマホ決済不正利用の手口
- 実際に起こりうるトラブル事例とその対策
- 万が一の事態に備えるための知識
- 安全なスマホ決済のためのセキュリティ対策
スマホ決済トラブルの実態とIPAの注意喚起
この見出しのポイント
スマホ決済は手軽で便利な一方で、不正利用によるトラブルが後を絶たないのが現状です。
IPA(情報処理推進機構)も注意喚起を行っており、その手口を知ることが重要になります。
IPAが指摘するリスクと対策を理解することで、安全なスマホ決済の利用につなげられます。
スマホ決済の普及と潜在リスク
スマホ決済は、スマートフォンを使って手軽に支払いができるサービスで、その普及の背景には、現金の持ち歩きが不要になるという利便性の高さがあります。
クレジットカード情報や銀行口座を登録することで、キャッシュレスで支払いが完了するため、多くの人が利用しています。
しかし、利便性が高い反面、セキュリティ上のリスクも存在し、注意が必要です。



スマホ決済って便利だけど、セキュリティは本当に大丈夫なのかな?



ご心配ありません。リスクを理解し、対策を講じることで安全に利用できます。
IPAが指摘するスマホ決済不正利用の脅威
IPA(情報処理推進機構)は、「スマホ決済の不正利用」を重大なセキュリティ脅威と位置づけており、その手口は巧妙化の一途をたどっています。
IPAが注意喚起している主な手口は以下のとおりです。
手口 | 詳細 |
---|---|
フィッシング詐欺 | SMSやメールで偽のサイトに誘導し、ID・パスワードを詐取 |
不正なアプリのインストール | マルウェアが仕込まれたアプリをインストールさせ、個人情報を盗み取る |
QRコード詐欺 | 偽のQRコードを読み取らせ、不正なサイトに誘導 |
スマホの紛失・盗難 | 画面ロック未設定のスマートフォンを不正利用 |
アカウントの乗っ取り | 入手したID・パスワードを使い、別端末からログイン |



IPAってよく聞くけど、どんなことをしているの?



IPAは、情報セキュリティ対策の普及啓発や技術支援を行っている独立行政法人です。
IPAが公開している情報を参考に、自身のスマホ決済利用状況を見直し、セキュリティ対策を徹底することが重要です。
スマホ決済サービス利用時に発生するトラブル事例
スマホ決済サービス利用時に発生するトラブルは多岐に渡りますが、特にアカウントの不正利用、フィッシング詐欺、QRコード詐欺、システムエラーによる決済遅延が注意すべき点です。
これらのトラブル事例を把握し、適切な対策を講じることが重要になります。
ここでは、IPA(情報処理推進機構)が注意喚起している手口を参考に、スマホ決済サービス利用時に起こりうる具体的なトラブル事例と、その対策について解説します。
アカウント不正利用による身に覚えのない請求
アカウントの不正利用とは、IDやパスワードが第三者に漏洩し、不正にログインされて身に覚えのない請求が発生することです。
例えば、フィッシング詐欺によってID・パスワードが盗まれ、不正にアカウントにログインされてしまいます。



不正利用されたらどうすればいいんだろう?



落ち着いて、まずは決済サービス事業者に連絡することが大切です
不正利用を防ぐために、以下の対策を講じることが大切です。
対策 | 説明 |
---|---|
パスワードの使い回しをやめる | 同じパスワードを複数のサービスで使い回すと、1つのサービスから漏洩した場合に他のサービスも危険にさらされます。 |
多要素認証を設定する | ID・パスワードに加えて、指紋認証やワンタイムパスワードなどを設定することで、不正ログインのリスクを大幅に軽減します。 |
不審なメールに注意する | フィッシング詐欺メールは巧妙に作られており、本物と見分けがつかない場合があります。 |
フィッシング詐欺による個人情報漏洩リスク
フィッシング詐欺とは、金融機関やクレジットカード会社などを装った偽のメールやSMSを送信し、偽のWebサイトに誘導して個人情報を盗み取る手口です。



どうしてそんなに巧妙なの?



最新の手口は非常に巧妙で、見破ることが難しいケースもあるんです
個人情報が漏洩すると、アカウントの不正利用だけでなく、クレジットカードの不正利用やなりすまし詐欺など、さまざまな二次被害に繋がる可能性があります。
対策 | 説明 |
---|---|
不審なメールやSMSに記載されたURLへのアクセス禁止 | 正規のサービスを装ったメールやSMSでも、安易にURLをクリックしないようにしましょう。 |
公式アプリやWebサイトからアクセスする | サービスを利用する際は、メールやSMSからではなく、公式アプリやWebサイトからアクセスするようにしましょう。 |
サイトのURLを確認する | フィッシングサイトは、URLが正規のものと酷似していますが、よく見ると微妙に異なっている場合があります。 |
セキュリティソフトの導入 | セキュリティソフトは、フィッシングサイトへのアクセスをブロックしたり、個人情報の入力を警告したりする機能があります。 |
QRコード詐欺による支払いトラブル
QRコード詐欺とは、偽のQRコードを読み込ませて、利用者のアカウント情報を盗み取ったり、不正なサイトへ誘導したりする手口です。
例えば、店舗に設置されたQRコードに偽のステッカーを貼り付け、別の口座に送金させようとします。



QRコードって安全だと思っていたけど…。



QRコード自体は便利なものですが、悪用されるケースもあるので注意が必要です
QRコード詐欺に遭わないためには、以下の点に注意することが重要です。
対策 | 説明 |
---|---|
QRコードを読み取る前に、表示内容を確認する | 読み取り先のURLや決済金額などを確認し、不審な点がないか確認しましょう。 |
不審なQRコードは読み取らない | 出所の分からないQRコードや、店舗の正規品ではないQRコードは読み取らないようにしましょう。 |
二段階認証を設定する | 万が一、QRコードから個人情報が漏洩した場合でも、二段階認証を設定していれば、不正アクセスを防ぐことができます。 |
通信障害やシステムエラーによる決済遅延
スマホ決済サービスは、通信環境やシステムの状態に依存するため、通信障害やシステムエラーが発生すると、決済が正常に完了しないことがあります。
例えば、通信環境が不安定な場所で決済しようとしたり、スマホ決済サービスのシステムが一時的にダウンしたりすると、決済が遅延したり、エラーが発生したりするケースが考えられます。



急いでいる時に決済できないと困るな…。



通信環境の良い場所で決済するか、別の決済手段を用意しておくと安心ですね
このような決済遅延やエラーを避けるためには、以下の対策を講じることが大切です。
対策 | 説明 |
---|---|
通信環境の良い場所で決済する | 決済を行う際は、Wi-Fi環境下など、安定した通信環境下で行うようにしましょう。 |
別の決済手段を用意しておく | スマホ決済サービスが利用できない場合に備えて、クレジットカードや現金など、別の決済手段を用意しておくと安心です。 |
決済履歴を確認する | 決済が正常に完了したかどうか、決済履歴を必ず確認しましょう。 |
スマホ決済サービスの情報を確認する | スマホ決済サービスの公式サイトやSNSなどで、システム障害に関する情報が公開されていないか確認しましょう。 |
トラブル発生時の対策と被害を最小限に抑えるための知識
スマホ決済サービスでトラブルが発生した場合、迅速かつ適切な対応が被害を最小限に食い止めるために重要です。
ここでは、不正利用が発生した場合の問い合わせ先から警察への相談まで、具体的な対応策を説明します。
各手順を理解しておくことで、万が一の事態に冷静に対応でき、被害の拡大を防ぐことが可能です。
不正利用時の問い合わせ先と相談窓口
不正利用が発覚した場合、速やかに適切な窓口に連絡することが重要です。
適切な窓口への連絡は、被害状況の把握と対応の迅速化につながります。
問い合わせ先 | 連絡先 |
---|---|
各スマホ決済サービス事業者 | 各社公式サイトまたはアプリ内の問い合わせフォーム、電話番号 |
金融機関(クレジットカード会社、銀行など) | クレジットカード裏面の電話番号、または各銀行の問い合わせ窓口 |
警察 | 最寄りの警察署、またはサイバー犯罪相談窓口 |



不正利用に気づいたら、どこに連絡すればいいの?



まずは利用しているスマホ決済サービス事業者へ連絡して状況を説明しましょう
スマホ決済サービス事業者への連絡手順
スマホ決済サービス事業者への連絡は、不正利用の状況を正確に伝えることが重要です。
正確な情報伝達は、その後の対応をスムーズに進めるために不可欠と言えるでしょう。
- 利用しているスマホ決済サービスのアプリやウェブサイトから、問い合わせ窓口を探す
- 不正利用の状況(日時、金額、内容など)を明確に伝える
- 指示に従い、必要な情報を提供する(アカウント情報、本人確認書類など)
- 今後の対応について確認する(利用停止措置、調査など)
金融機関への連絡と利用停止手続き
金融機関への連絡は、クレジットカードや銀行口座の不正利用を止めるために不可欠な手続きです。
迅速な連絡と手続きは、被害拡大の防止につながります。
- クレジットカード会社または銀行の連絡窓口に電話する
- スマホ決済サービスでの不正利用があった旨を伝える
- カードの利用停止手続きを行う
- 今後の対応について確認する(不正利用の調査、補償など)



クレジットカードを登録しているんだけど、カード会社にも連絡した方がいいの?



不正利用された可能性がある場合は、念のためカード会社にも連絡して利用停止の手続きをしましょう
警察への相談と被害届提出の重要性
警察への相談と被害届の提出は、事件として捜査を依頼し、被害回復の可能性を高めるために重要です。
被害状況によっては、警察への相談が、その後の対応に大きく影響するでしょう。
- 最寄りの警察署、またはサイバー犯罪相談窓口に連絡する
- 被害状況を説明し、相談する
- 被害届の提出を検討する(提出は任意)
- 警察からの指示に従い、必要な情報を提供する(証拠となる情報、決済履歴など)
セキュリティ対策の再確認と安全なスマホ決済利用
スマホ決済サービスを安全に利用するためには、日頃からのセキュリティ対策が非常に重要です。
IPA(情報処理推進機構)が注意喚起している手口を参考に、自身のセキュリティ対策を見直すことが大切です。
ここでは、パスワード管理から不正アクセス防止策、万が一の事態に備える保険まで、安全なスマホ決済のための対策を解説します。
パスワード管理の徹底と定期的な変更
スマホ決済におけるパスワードは、まさに玄関の鍵。
安易な設定は不正アクセスの入り口を開ける行為です。
誕生日や電話番号のような推測されやすいパスワードは避け、複雑で強固なパスワードを設定することが不可欠です



もし、今のパスワードが不安ならどうすればいいんだろう?



パスワードは定期的に見直し、変更することが大切です。
以下の点に注意して、パスワード管理を徹底しましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
パスワードの長さ | 最低12文字以上を推奨 |
パスワードの種類 | 大文字・小文字・数字・記号を組み合わせる |
パスワードの使い回し | 他のサービスと同一のパスワードは避ける |
定期的な変更 | 3ヶ月ごとの変更を推奨 |
二段階認証設定による不正ログイン防止
二段階認証は、IDとパスワードに加えて、もう1つの認証要素を追加することでセキュリティを格段に向上させる仕組みです。
たとえパスワードが漏洩した場合でも、二段階認証を設定していれば、不正ログインを阻止できます
二段階認証の設定方法はサービスによって異なりますが、一般的には以下の手順で行います。
- スマホ決済アプリの設定画面を開く
- セキュリティ関連の項目を選択
- 二段階認証の設定を有効にする
- SMS認証や認証アプリを選択し、画面の指示に従って設定を完了させる
生体認証(指紋認証・顔認証)の活用
生体認証は、指紋や顔といった個人の身体的な特徴を利用して本人確認を行う認証方法です。
パスワードを入力する手間が省けるだけでなく、第三者による不正利用を防ぐ効果も期待できます
スマホ決済で利用できる主な生体認証は以下のとおりです。
認証方法 | 特徴 |
---|---|
指紋認証 | 指紋センサーに指を当てることで認証 |
顔認証 | インカメラで顔を認識して認証 |
OSとアプリの最新状態維持による脆弱性対策
OSやアプリのアップデートには、セキュリティ上の脆弱性を修正する重要な役割があります。
古いバージョンのまま使用していると、脆弱性を悪用した不正アクセスやマルウェア感染のリスクが高まります
OSとアプリは常に最新の状態に保ち、セキュリティホールを塞ぐことが重要です。
自動アップデート機能を活用し、常に最新の状態を維持するようにしましょう。
不審なメールやSMSに記載されたURLへのアクセス禁止
フィッシング詐欺は、金融機関やサービス事業者を装ったメールやSMSを送信し、偽のWebサイトに誘導して個人情報を盗み取る手口です。
不審なメールやSMSに記載されたURLには絶対にアクセスしないでください
少しでも怪しいと感じたら、URLをクリックする前に、送信元のメールアドレスやSMSの番号を確認しましょう。
正規のWebサイトであるかを確認するために、ブラウザのアドレスバーに直接URLを入力することを推奨します。
怪しいQRコード読み取り回避の徹底
QRコードは便利な反面、悪意のあるWebサイトへの誘導や不正なアプリのダウンロードに利用されるリスクも存在します。
街中に貼られたQRコードには、注意が必要です
QRコードを読み取る際は、以下の点に注意しましょう。
- 提供元が不明なQRコードは読み取らない
- QRコード読み取りアプリのセキュリティ設定を確認する
- 読み取り後に表示されるURLが正しいか確認する
利用明細の定期的な確認による早期発見
スマホ決済の利用明細を定期的に確認することは、不正利用を早期発見するために非常に有効です。
身に覚えのない請求がないか、利用日時や金額に不審な点がないかをチェックしましょう



もし、見覚えのない請求があったら、どうすればいいんだろう?



落ち着いて、まずは決済サービス事業者やクレジットカード会社に連絡しましょう。
多くのスマホ決済サービスでは、利用明細をリアルタイムで確認できる機能を提供しています。
定期的に確認する習慣をつけ、不正利用の兆候を見逃さないようにしましょう。
スマホ決済保険への加入検討
万が一、不正利用の被害に遭ってしまった場合に備えて、スマホ決済保険への加入を検討するのも有効な手段です。
スマホ決済保険は、不正利用による損害を補償してくれるため、経済的な負担を軽減できます
スマホ決済保険を選ぶ際は、補償内容や保険料だけでなく、免責金額や支払い条件なども確認しましょう。
各スマホ決済サービスのセキュリティ機能比較検討
スマホ決済サービスを選ぶ際は、セキュリティ機能も重要な判断基準となります。
各サービスが提供するセキュリティ機能を比較検討し、自身に合ったサービスを選択しましょう
主なスマホ決済サービスのセキュリティ機能
サービス名 | セキュリティ機能 |
---|---|
PayPay | 24時間365日の監視体制、不正利用補償制度 |
LINE Pay | パスワードロック、生体認証、不正利用検知システム |
楽天ペイ | 本人認証サービス(3Dセキュア)、不正利用補償制度 |
これらの情報を参考に、セキュリティ対策が充実したスマホ決済サービスを選び、安全なキャッシュレスライフを送りましょう。
よくある質問(FAQ)
- スマホ決済で身に覚えのない請求があった場合、まず何をすべきですか?
-
まずは落ち着いて、利用しているスマホ決済サービス事業者へ連絡し、状況を説明してください。
- スマホ決済のパスワードで気をつけることはありますか?
-
推測されやすいパスワードは避け、最低12文字以上で大文字・小文字・数字・記号を組み合わせた複雑で強固なパスワードを設定し、定期的に変更してください。
- スマホ決済の利用明細はどのくらいの頻度で確認するのが良いですか?
-
不正利用を早期発見するために、利用明細は定期的に確認する習慣をつけましょう。多くのスマホ決済サービスでは、利用明細をリアルタイムで確認できる機能を提供しています。
- フィッシング詐欺に遭わないために気をつけることはありますか?
-
不審なメールやSMSに記載されたURLには絶対にアクセスしないでください。少しでも怪しいと感じたら、URLをクリックする前に、送信元のメールアドレスやSMSの番号を確認しましょう。
- QRコード決済を利用する際に注意することはありますか?
-
提供元が不明なQRコードは読み取らないようにしましょう。また、QRコード読み取りアプリのセキュリティ設定を確認し、読み取り後に表示されるURLが正しいか確認してください。
- スマホ決済で不正利用に遭ってしまった場合に備えて、どのような対策がありますか?
-
万が一に備えて、スマホ決済保険への加入を検討するのも有効な手段です。スマホ決済保険は、不正利用による損害を補償してくれるため、経済的な負担を軽減できます。
まとめ
スマホ決済サービス利用時のトラブルとその対策について解説します。
IPA(情報処理推進機構)が公開している情報をもとに、不正利用の手口やトラブル発生時の対応を知り、安心してスマホ決済を利用しましょう。
この記事のポイント
- スマホ決済不正利用の手口
- 実際に起こりうるトラブル事例と対策
- 万が一の事態に備えるための知識
- 安全なスマホ決済のためのセキュリティ対策
セキュリティ対策を再確認し、安全なスマホ決済を利用しましょう。